よその国はどうなの?その5:インド(20年近く前)2007年
インフォシス社は、アメリカの会社が終業時に注文を出すと・・・翌朝、完成してメールで届く!しかも半額!グローバルアウトソーシングの雄です。昨年130万人の応募者から36000人を採用。現在社員は8万人。もともと本場アメリカのシリコンバレーの15%(30万人)、IBMの中核社員の60%、NASAの40%をインド人が占めている。
インドはコンピュータ学科のある大学が1000校以上アル。200万人が卒業する。(昭和20年代の「団塊の世代」の一年分が200万人です)インドのシリコンバレーといわれるIT企業団地もアル。原子爆弾も持っている。自動車や家電製品をどんどん買うぞ!という所得層が1億人いる。世界から6人集まると、そのうちの2人は中国人とインド人である・・・・。
インフォシス社のスローガンは<ウイン・インザ・フラットワールド>である。いいなあ!
インフォシス社の売上は4000億円、純利益1200億円。さてどこまで青天井が続くか。・・・2018年現在:売上1兆円、純利益2400億円、社員200万人です。
バスが信号で止まるとコブラ使いのおじさんが寄ってきます。「コブラ使いの人はタダでやってないね。生活のためです。写真撮った人は10ルピー(30円)あげてください。」「はい、ありがとう。日本人正直ね!」通訳ガイド氏の、ほめられたのだか、からかわれたのだかワカラナイ。
野良牛です。悠々としています。野良馬も、サルも犬も見ました。ネコは見ませんでした。
インドでは、なぜ牛が尊いのですか?とガイドさんに訊いてみました。耳を疑いました。親は生き神様です。特に母親は命を与え育ててくれた、この世で一番大切な宝です。その母親とおなじように牛も乳で育ってくれた。だから親の愛の象徴です。だから尊いのです。(でも、働くのは当たり前だそうです。働いています。野良牛は、歳をとった退役牛や、えさをみんなからもらうようにという仕事後の放し飼い・・・らしい)
バンガロールにあるインド・トヨタの工場です。全インドの高等工業専門学校がたくさんあるのでそこから採用している。ほとんど辞めません。3食とも会社の食堂で食べます。インドでは普通らしい。インド人は図面を部分変更した場合の全面改造設計ができる。すばらしいことです。中国ではできません。社長のお言葉でした。
将来の人手不足に備えて全寮制技術訓練校を今年(2007年)開校しました。第一期生は45名。4500名から選抜された精鋭である。科学と工学の全般にわたる、とても丁寧な基礎テキストを使っています。社内マニュアルも噛んで含めるように丁寧に教えています。さすがはトヨタ!日系企業のインド進出は362社。自動車、架電、建設機械が中心です。
トラック、バス、4輪車、オートバイ、自転車、リヤカー、3輪タクシーが互いに警笛を鳴らし放しで、斜めに割り込みつつ、縫うようにこすりながら(だから、サイドミラーは初めからない。ウインカーも出さない)急加速、急減速で走るのです。そこへ人間様も、どんどん横断するのです。揺られ揺られてツカレマスヨ。新車を運ぶと、着いた時は中古車になる・・・という冗談を聴きました。
昨年は190万台の自動車、40万台の3輪車、790万台のオートバイが売れた。ちなみに1982年インドに進出したスズキは100万台を打っています。ブランド名称「スズキマルチ(孫悟空のこと)」。シェア50%ですね。
高速道路網、地下鉄網ができるまで何年かかるだろう?10年でもムズカシイ気がする。
高級ホテルですが、気温8度から20度では、暖房ナシは寒いです!ボクは湯冷めで風邪を引きました。インドの人たちは長袖カッターシャツと低とのチョッキが多いです。柄が多様です。セーターやジャンパーの人も多いです。トヨタ工場があるバンガロールは標高900mで一年中エアコンがいらなくて世界一住み易いから工場を造った、とトヨタの社長様がおっしゃいました。
インドナンバーワンの油圧プレス製造の会社を見学。<設計技術がドイツで、品質が日本で、価格が中国>のものをつくる・・・そうです。心臓部の油圧機器は日本製。スズキやホンダの国、日本からやってきた大勢の視察団の堂々とプレゼンテーションするダークスーツのご子息(カナダ・モントリオール大学卒業)を誇らしげに見守る立派なおひげの社長が羨ましく眼に残りました。
「リキシャ」は初乗り280円(100円)ですが、インドのひとは乗る前に交渉します。見ていると結構長い。決裂するところも見ました。メーターは付いていますが、たいてい壊れています。ドアはありません。便利ですよ~
金型製造のナガタ・インド社も見学。機械は日本製と台湾製で、これをCADCAM(コンピュータ・プログラム加工)すればタイ製には劣るものの、なんとかなります。<金型は、ニホンの真心、世界の宝>が通用するのはいつまでか?と心配です。
「ほうふ日報」に9回連載しました。立派な通訳ガイドに恵まれ、耳が驚くことが度々でした。「この世に、必ず神は存在します。必ず死も存在します。だから死は怖ろしいものではアリマセン。いま、車にはねられたとしても、ああ、死ぬんだな。・・・と思うだけです。」ガイドさんの説明でした。
インドでは女性は女神様だそうです。だから大切にしなければなりません。レストランなどで女性にサービスしてもらうなんてもったいないことです。インドの男は一生懸命に女性に優しくする。だから女性が就職しないんだそうです。また、インドに赴任した日本人男性の奥様は、上機嫌で、ずっとインドにいたいというんです。とのガイドさんの説明に、駐在員さんがうなずいていました。
お会いできたら、インドの超古代文明のお話なんぞをいたしましょう。